きものの雑学

袂を分かつ

袂を分かつ

 「袂」とは、着物の袖の一部で袋のように垂れ下がった部分のこと。日本がまだ和装を着て日常を過ごしていた時代では、「袂」には魂が宿るとされ、未婚の女性は袖を振ることで意中の男性への愛情表現していました。そして結婚をすると袖を振る必要がなくなるため袖部分を短く切って仕立て直したことが語源となっています。
昔は、結婚して他の家のお嫁に行くことから、親と別れることを「袂を分かつ」と言いましたが、現在では政治家の離党や夫婦の離婚、退職の際など多様な意味でも使われるようになりました。